殺人よ、こんにちは
- 作者: 赤川次郎
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2007/08/24
- メディア: 文庫
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主人公は12歳の女の子で、お父さんは会社の社長。でもそのお父さんは突然死んでしまった。でも、私は知っている。お父さんを殺したのはお母さんなんだって。でも、そんなこと私には関係ないし、めんどくさい。夏の海に行っても泳ぐのは疲れるし、恋をするのだって退屈だ。そんな彼女のところで殺人事件がはじまって。
解説でも指摘されていたけど、ヨーロッパ文学のにおい、特にフランス文学のイメージが強い。アンニュイな雰囲気と、無邪気で残酷な少女と、夏の海って組み合わせはまさにべたべただけど、うまく料理しているなと感嘆する。相変わらず、キャラクターを読者に認識させるのがうまい。ある程度典型的なキャラクターたちなのに、それなりの色がしっかりついていて魅力的になっている。
こういったクールな物語の方が、赤川の資質がでるような気がする。