変調二人羽織

変調二人羽織 (光文社文庫)

変調二人羽織 (光文社文庫)

 表題作は、幻影城に掲載された連城三紀彦のデビュー作です。デビュー作のみならず、その他の作品も質が高く、すごい人は最初からすごいのだなと、再認識しています。
 印象的だったのが、3作目にのっている「六花の印」という作品です。後の花葬シリーズを予感させる作品です。
 まったく関係ないと思われる、明治時代と現代の物語が並行して語られていき、最後は驚きの・・・。日本語の美しさに文章を読む目が奪われ、読み終わったときは小説の構造の美しさにはっとさせられます。
 連城の小説は、彼が若い頃に作った小説の方が、圧倒的に好きです。