1973年のピンボール
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/11/16
- メディア: 文庫
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『風の歌を聴け』が青春の終わりを描いたとするならば、本作は、もう戻ることのできない日常の淵にいるような感じである。青春は本作にとって、すでに通り過ぎた後のものなのだ。
ただ、この作品は昔からあまり好きではなかった。まず『風』に比べると物語性が増していて、そこの部分が中途半端で退屈である。次に、個々のガシェットが妙に文学臭くてかっこ悪い。退屈しのぎのピンボールに耽る主人公だとか、記号的に描かれている双子の女の子だとか。あまりにも文学すぎて、おもしろくない。