背中あわせのハート・ブレイク
- 作者: 小林信彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1991/06
- メディア: 文庫
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作品の前半では学校内での政治問題を描き、後半で当時の社会状況を描くようになる。これにより、主人公たちの少年から大人への成長を表現しているのだろう。原題が「世間知らず」というのも、この点より頷ける。正直、僕にはこれが成功しているとはあまり思えない。違和感を覚える。おそらく、小林の若い頃には、単純に社会へ入っていくことが成熟する条件として認められていたためであろう。現代では、子どもから大人というか、モラトリアムを脱皮するということが、そんなに単純なものではなくなっているため、うまく共感できないのだと思う。