フロイト

フロイト―その思想と生涯 (講談社現代新書 383)

フロイト―その思想と生涯 (講談社現代新書 383)

 ジークムント・フロイトは1856年の5月6日に、現在のチェコスロバキアユダヤ人家庭に生まれた。長男で勉強のできたフロイトにたいして、母が過剰に愛するのに一方、父は冷淡で厳しかった。この幼少時代の記憶はフロイトの心理学に大きな影響を与えている。
 本書はフロイトの生涯についてうまくまとめている。といっても新書レベルなのでその印象はあくまでも表面をなぞった程度である。
 その中で面白かった点に、フロイトが幼いときは価額主義的な思想を持っていたというもの。
 またおさらいとしてフロイトの言う人間の発達段階についてメモしておく。「口唇段階」、食べることなど口を使う欲望の段階で、この傾向の強い人は他人の注目や依存を求める性格となる。次が「肛門段階」である。赤ん坊が排泄についてからだの働きを知る段階であり、これが強いとケチで頑固でまたサディズム的な性格になる。3つ目が「男根期」で、性的な欲望が性的に局在してくる段階である。