貧乏は正しい!
- 作者: 橋本治
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1997/12
- メディア: 文庫
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本書は、橋本流の若者論といった感じになっている。
若い男とは、本質的に貧乏である。だから、貧乏でなくなったとき、その男は若者ではなくなるのだ。だから、若い男であるのなら、貧乏であることを受け入れなくちゃいけない。なんのこっちゃと思うけど、そういうものらしい。
今回も、いちいち肯けるようなことを言ってくれていて、頼もしい。
社会主義や共産主義の左翼思想とは、自分のことは考えないで、他人のことを考えようというものだった。でも、自分のことも考えずに、他人のことなんて考えられない。そんなの不可能だ。だから、左翼思想は潰滅してしまったんだ。
あと、社会主義国家が破綻してしまったのは、貧乏がなくなってしまったからだ。つまり、食べるものが見つからないという最低レベルの貧乏ではなくなったてこと。社会が豊かになると、知の大衆化ということになる。そうなると、エリートの思想*1である社会主義なんて流行らなくなってしまう。
人間はいろいろなパーツの寄せ集めからできている。若い頃とは、このことに気づいて、このパーツの取捨選択を行っている時期である。