貧乏は正しい! ぼくらの資本論
- 作者: 橋本治
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1998/09
- メディア: 文庫
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シリーズものになっているらしく、今回はその第4弾。取り上げられている内容は、「家」というものについて。相続税ってどういうこと、そもそも日本のイエ制度ってなんだったの、どうしてみんなマイホームをほしがるの、などなど。
相続財とは、親と子も結局個人なんだよね、という意識より生まれるものだ。だから、親と子は他人なのだから、子どもが何もせずに親の恩恵を受けるのはずるい、という発想から、子どもは相続税を払わなければいけない。
また、かつては「イエ」の時代で、今の日本は「個人」の時代である。そして、「イエ」の時代の前には、「一族」の時代があった。それが日本社会の歴史である。この指摘は面白かった。とにかく、この問題からイエ制度と資本主義の関係をあつかった第3章は、大爆笑ものである。
イエ制度が終わって個人の時代がやってきて、それに資本主義が融合することで、つまりはバブルが起こったらしい。
「財産」という言葉は、「愛」とか「セックス」ということばとおんなじように、「そのことばの使われている論旨とは関係なく、その論を読んだり聞いたりする人間の欲望を刺激して、”よく分からない”という状態に陥れる言葉」なのだ。(p,226)