はじめての進化論。
- 作者: 河田雅圭
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1990/01
- メディア: 新書
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結局大きく括ろうとすると、進化論とは、生物が独特の生活様式にあわせて特殊化していくということである。それは複雑にも、単純にもなっていく。進化とは、優れていく過程ではなく、環境に適応していく過程であるのだ。
いろいろ具体例が出てきた中で、おもしろかった話。北欧に住むねずみの仲間レミングスは、仲間の数が増え過ぎると、崖から命を捨てることで有名である。一見、これは食糧難から集団を守る行為と見ることもできるが、実は、食料を探して集団で移動していたところ、結果崖から落っこちて自殺をしているかのように見えるだけ、というものらしい。ある生物の個体が、「種の生存」を守るための行動をするというのは、ほとんど自然界では見つけられないらしい。生存のための適応を高めようと、個々が行動することにより、単にそう見えているだけらしい。