メタファー思考

メタファー思考 (講談社現代新書)

メタファー思考 (講談社現代新書)

 メタファーといっても、文学についての話ではない。文学の中に限らず、メタファーは僕たちの生活のどこにでもあふれている。例えば、「彼の事業は躓いてしまった」と言うとき、この「躓いた」という表現はメタファーであろう。メタファーとは、僕達がこの世界を理解するための必須の表現手段である。
 メタファーについて、体系的に、かなりしっかり解説してくれているのだが、あまり面白くなかった。密度は凄いんだけど、著者が力をいれてくれているところに興味が持てなかったなあ。

メタファーの意味は、AからBに完全に「転じる」のではなく、常にAのもつ具体性、含意、連想、周辺的意味、推論的意味などを保っているのが普通である。(p,131)