”文学少女”と飢え乾く幽霊

”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)

　間違って、シリーズ2作目のほうを買ってきてしまった。1作目読んでないのに。まあ、プロのやっている仕事なのだから、それでも問題ないのだろうけど、ものすごく損した気分だ。
　で、作品はおもしろいのだけど、文句が2つ。
　１つは、記号的な文章表現が多すぎるということ。「涙をぽろぽろこぼす」とか「にっこり笑う」とか、いくらライトノベルだからってそんな文章が頻出すると萎えてくる。
　もう１つは、スロースターターすぎるということ。ようやく物語がおもしろくなってきたのは、天野先輩が警察につかまったあたりからだった。物語の中間地点だよ。はじめの段階で、主人公に目的をつくってあげるとか、ストーリーの方向性をはっきり示すとか（つまり大きな圧力を物語の世界にぶつける）、ストーリーの軸になるようなものを設定しないといけない。後半がおもしろいのに、もったいない。