円環少女2 3

円環少女 (2) 煉獄の虚神(上) (角川スニーカー文庫)

円環少女 (2) 煉獄の虚神(上) (角川スニーカー文庫)

円環少女 (3) 煉獄の虚神(下) (角川スニーカー文庫)

円環少女 (3) 煉獄の虚神(下) (角川スニーカー文庫)

 ちゃんと構成をしている。キャラクターの造詣もその配置バランスも間違いはない。読者サービスとは何であるのか、よくわかっている。及第点は与えられるのに、何だろう、物足りないものが残る。
 ライトノベルなのだから、あるキャラクターに十分感情移入できれば、その作品は成功したと言えるのだろう。その点でこの作品は成功している。メイゼルちゃんはかわいいしね。でも、おそらく作者はその先の部分を目指しているのだと思う。何か、もっと高いところを志向しているのはわかるのだが、そこにはたどり着いていない。そもそも、そのことを読者に感づかれるようじゃ、作者の負けだろう。
 あの難渋な文体が悪いのか、構成の段階でドラマを蓄えきれていないのか(今回の構成は、要素はしっかりしているが、その方向性が散漫だと思った)、難しい。
 ただし、その心意気やよし。