ロケットガール3 私と月につきあって

私と月につきあって―ロケットガール〈3〉 (富士見ファンタジア文庫)

私と月につきあって―ロケットガール〈3〉 (富士見ファンタジア文庫)

 シリーズ三冊目。本作もおもしろい。
 お手本のような、きれいに整った巧みなプロットが展開されている。文章もわかりやすく読みやすい。小説として、1つの完成型をしめしているなあ、と感嘆する。
 以下に、そのプロットをおおまかにまとめる。かなり強引に捨象していくので、あしからず。

  1. 今回の設定とメインの3人娘の紹介を兼ねて、大きな掴みのアクション
  2. 主人公たちと絡ませながら、フランス側のキャラクター紹介(ドラマをたくわえている状態)
  3. フランス側のキャラクターが2名退場、これにより物語が動き出す
  4. 宇宙空間でまた、フランス側2名退場、この辺りの流れもきわめてスムーズ
  5. 地球上の宇宙ステーションや、ソランジュの脚など障害を用意しながら、ここからクライマックスに流れ込む

 幾つかある起承転結の転の部分に、作者の技巧を見た。物語、設定、キャラクターに関連して、うまく転がしている。