少女コレクション序説
- 作者: 澁澤龍彦
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1985/03/10
- メディア: 文庫
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その中から、おもしろかったものを紹介。
- 文化人類学では、破瓜期の少女を共同体から切り離し、小屋などに幽閉させる習慣が、よく見られる。これは一種の通過儀礼であるが、性的に成熟した少女を近親相姦から守ることと、クリトリスによる快感を断念させる目的があるらしい。
- ディアナ*1の月は処女性の象徴である。処女崇拝は、冷感症崇拝に結びついて、そのまま極端に走ってネクロフィリアに到達する。
- 西洋と日本の違い。西洋では、エロティシズムは社会風刺と現実暴露の機能を果たす。禁を破るというところに、快楽の条件がある。日本の浮世絵などに見られる、現実肯定的なおおらかさとはまるで違う。
- 伝説や神話や文学作品などに見られる近親相姦とは、結局、隠された強烈な自己愛の変形である。
- アメリカのある心理学者によると、人間の芸術活動のひそかな目的は、「失われた子供の肉体を少しずつ発見していくこと」だそうだ。
- オーギュスト・コントの発見した人間精神の三段階の法則は、つまり、最初は「神学的状態」であり、次に「形而上学状態」であり、最後に「科学的状態」となるものは、玩具の発達の歴史にも、見事あてはまる。