円環少女 1

円環少女 (角川スニーカー文庫)

円環少女 (角川スニーカー文庫)

 まあ、読みにくい小説であるのだが、僕はこういった小説は好きなほうだ。
 提示される情報のどれだけをちゃんと把握できているのか、心もとないが、この作品においてその部分はあまり意味をなさない。魅力的なイメージの屁理屈が、世界観を構成するため次々に繰り出されてくるが、それらをひとつずつおさえていくのではなく、それらが作り上げる雰囲気に如何に酔えるかというのが、こういった作品の読むときの肝になる。
 全身全霊をこめ、壮大なうそとハッタリをかまそうとしている小説である。その心意気やよし。