日本語と外国語

日本語と外国語 (岩波新書)

日本語と外国語 (岩波新書)

 まあ、いつもの通りの鈴木孝夫言語学
 言葉を習得するには、文法や単語を覚えるだけではなく、その言葉をつかっている人々の文化や習慣、考え方などを理解しないといけない。なぜなら、言葉とはそのような文化や社会的背景によって成立しているものだからだ。
 そのような考え方を、国によって虹が全部で何色であると考えられているか、といった問題から紹介している。
 そして、この本の中からおもしろかったところは、日本語が、特にその中でも漢字の構造が、テレビのようなしくみをしているという点。つまり、音声だけに頼っているようなラジオのような言語(英語など)ではないということ。これは、本来の日本語が音素の数が少なく、音節構造も簡単で、しかも制限が多いといった欠点?を補うため、漢字のもつ視覚的な機能が重要になっているということらしい。読めない漢字に出会っても、その漢字の部首なんかを見ていると、その漢字が意味していることをなんとなく類推できる。ほら、テレビみたい。