地球の長い午後

地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224)

地球の長い午後 (ハヤカワ文庫 SF 224)

 まず、その狂っていると言ってしまってもいいくらいの、イマジネーションの勝利だろう。どうなってるんだよ、これ。
 ストーリーの方は途中、だらけるような部分もあったが、そこは次から次に飛び出てくるイマジネーションの力で突破していっている。
 作者のオールディスはイギリス人であるが、本作の終わり方はきわめてアメリカ文学的である。「おれたちの戦いはこれからだぜっ!!」みたいな感じの楽天的だが、そうであるが故にたくさんの勇気が感じられる終わりかた。オールディスがアメリカのSF市場である程度成功できた理由が、そこにあるような気がする。