キャラクター小説の作り方
- 作者: 大塚英志
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/02/20
- メディア: 新書
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いかにも大塚英志らしい独断がばりばり出てきて、ところどころ辟易する。それでも、鋭いなと感じるとこは多い。
お話とは欠乏からその欠乏の解消へ向かうのが、基本的な構造である。多くのお話はその構造を骨格にもつ幾多のバリエ―ションに過ぎない。
そして、登場人物たちのキャラクター性とは、
の2つから成り立っていて、この点は、世界観のあり様について考察するヒントにもなる。
架空の「世界」を読者にリアルに感じさせるには、その[世界」に根ざしたものの見方や行動をするキャラクターが不可決ですし、逆にキャラクターをリアルに表現するのは作者が生きている現実の[世界」ではなく、架空の「世界」との関わりの中で表現しなくはいけないのです。(p,232)
最終的には、「近代文学」も結局は「私」という「キャラクター」を「文学」の制度によって無自覚に支えられていた小説である。それ故、「キャラクター小説」は「キャラクター」の中に「私」を自覚的に導入することで、「文学」に成りうるのではないか、としめている。
*1:本書の中では「スニカー文庫のような小説」と表現している