星のバベル上 下

 「サマー/タイム/トラベラー」がおもしろかった新城カズマの、また他のSF小説。
 うーん、これは失敗作だなあ。アイデア自体はおもしろく感じるのだけれども、まず登場人物に感情移入していけないのがいけない。「サマー/タイム/トラベラー」も感情移入はできなかったんだけれども、あれは世界観が圧倒的だった。あの世界にずっとひたっていたいと思わせるほど、それは魅力的なものだった。それが本作との決定的な違いだ。
 お話の展開も、そのせいで、どうにも上滑りしているような印象が……。