交渉力

交渉力 (講談社現代新書)

交渉力 (講談社現代新書)

 日本人は、交渉のことを、勝ちか負けかのサバイバルだと考えている。しかし、交渉はギブ&テイクの、互いの利害をめぐる対立を解消し、利益を実現するための話しあいのプロセスである。
 ビジネスの世界で、効率よく適当な交渉をするための方法について、かなり詳細な具体例を挙げながら、説明している。いかにもできるビジネスマンらしく、それぞれの要素が簡略に系統づけられて、明快なロジックで語られている。

交渉は、直線的に交渉の終結点に向かうのでも、階段を上がるように終結店に向かうものでもない。交渉は、むしろ交渉当事者間のキャッチボールをベースにした螺旋状の循環構造を有している。また、交渉の終結点は点でなく、ある幅を持った領域と考えたほうが現実に合致する。交渉はこの終結点に向け、条件を絞り込んでいくプロセスである。(p,52)

 重要なことは、交渉を始める前の段階にある。自分は何を手に入れたいのか、交渉の方針とはどのようなものか、どこまでなら譲歩できるのか、などを決めておく必要がある。
 また、良いプレゼンテーションの条件をメモしておく。

  1. 相手に合わせたプレゼンテーションであること
  2. 言葉と常識に注意すること
  3. 論理が明快であること
  4. 具体的なイメージとして伝えること
  5. 相手の利益を目に見える形でしめすこと
  6. 相手を主語にしたプレゼンテーションをすること