戦略的思考の技術
- 作者: 梶井厚志
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2002/09/01
- メディア: 新書
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以下、強引に引用を多用しながら、要旨をまとめる。このブログは基本的に僕の備忘録的役割りで書いてるわけで、その点から読み手のことはあまり意識してないわけです。すごい話だけど。つまり、これは僕にとってのただのメモ帳なのだよ。だから僕の好きなように書く。読みづらくても気にしない。
戦略的な分析や思考の中心になるのが、「先読み」と「均衡」の考え方である。その点で、以下が主な原則。
- 自分が最終的に受け取る利益(結果)は、自分の戦略行動のみならず他人の戦略行動にも依存することを認識し、自分と相手の戦略の組み合わせを評価する。(p,25)
- 自分の行動を決める際には、まず相手の行動をさまざまに予想し、それに対してその自分の行動が適切かどうかを判断する。(p,27)
- 相手の戦略を自分の都合の良いように予測せず、相手は自分の行動に対して最善を尽くすと予想し、その予想の元で自分も最善を尽くすことを考える。お互いに予測される行動に対する最前の行動を取るような状態を戦略の均衡状態という。(p,32)
- 相手より先に自分の行動を決定できる時、自分のそれぞれの行動に対し、それを見た相手がどのように反応するか、相手の利害を考えることによって先読みして、現在の戦略を選択するべきである。(p,36)
- 戦略的関係にある主体が、お互いに何をどれだけ知っているのか、また知っていることをどれだけ知っているか、など、お互いの情報の構造を把握することが重要である。(p,42)
また、社会現象を理解するためには、各個人が直面するインセンティブ*1の構造を考えなければ、その本質は理解を得られないと言っても過言ではなく、インセンティブの構造を変えることでその人間の行動を変えることができる、らしい。
語られていることは、聞けばすべてが当たり前だと感じるようなことばかりだが、そういった問題を抽象化、言語化していったものがゲーム理論ということなのだろうか。「囚人のジレンマ」などの単語は全くできこず、少しイメージしていた内容とは違った。ゲーム理論については他にも何冊か読んでみるつもり。
*1:ある主体から特定の行動を引き出すためのエサ(あるいは罰則)や、そのエサが与えられる仕組み