たったひとつの冴えたやりかた

 ああ、もう、あんなオチが待ってるなんてまるで予想していなかったから、イヤになっちゃうよ。
 少女マンガのタッチで書かれた挿し絵がかわいくて、「かわいいな、かわいいな。お尻!!」みたいにわくわく読みすすめていたのに……。まさかそれが、とんでもない罠だったなんて……。
 SF作品には、人間の知性や知的好奇心、冒険心なんかをネガティブにとらえている作品が結構あるなと思う。この作品に対して、小説としての構造などには文句はないのだけれども、あのオチはもっとどうにかならなかったのかと。現実を眺めてシニカルになるのは簡単だけど、僕はシニカルになってしまったそこからの一歩みたいなものを期待したい。そんな作品が読んでみたいのよ。