株式会社とは何か

株式会社とは何か (講談社現代新書)

株式会社とは何か (講談社現代新書)

 株式会社という企業形態と会計という行為とは切っても切れない関係、表裏一体の関係にあるとし、その関係から株式会社を見ていこうとする本。
 そもそも株式会社を、自分の利益を追求する株主と自分の利益を追求する経営者という両者からなる私的な存在、と定義する。
 その点より、株式会社というものを前述の両者の関係を結ぶという約束事ととらえる。
 そして、そうした関係ないし約束事をささえるものが、会計という行為である、としている。
 そしてその会計という行為は、一言で言えば説明である。
 財産の管理をしている経営者(取締役)が、財産の持ち主であり管理を委託されている株主にたいして、自分がおこなった財産の管理の顛末(経営)を説明すること。それが、会計である。
 前半部にはそのようなことが書いてあり、後半部では株式会社の誕生の歴史について書いてある。全体にわたって非常にわかりやすく説明されていて、サクサク読めた。一つ一つの問題ははっきりと図式化して、言葉の意味するところ、またその言葉と言葉との関係性が明確であった。
 で、以下は本書の内容とは直接関係はないが、僕が引っかかったところ。引用。

 なにか問題が生じたとき、「そもそも○○とは?」とかんがえることによって、問題の本質がみえてくる。また、(そもそも)多くの問題は、そもそも、が忘れられているから生じる、といってもよい。(p.11)