涼宮ハルヒの憂鬱 涼宮ハルヒの溜息 涼宮ハルヒの退屈

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの溜息 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの溜息 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの退屈 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの退屈 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒ」シリーズの1作目から3作目。
 京アニスタッフによるアニメは素晴らしい完成度で、ハルヒのライブや最終回などでは、僕も感動させられた。
 で、原作小説。背骨がしっかりした青春ジュブナイルとして、これもまた完成度が高い。特に、「涼宮ハルヒの憂鬱」の完成度の高さは絶賛すべきレベルだと言ってもいいくらいだ。うまく自分を認められず、世界になじめなくなってしまった少女が、一人の男の子との出会いによってすくわれるという。ボーイ・ミーツ・ガール、ガール・ミーツ・ボーイ。
 ちょっと臭いけど、実は大切で絶対に忘れちゃいけないこと。秋山瑞人の「イリヤの空 UFOの夏」を読んだ時にも感じたのだが、ライトノベルというものはそういったものを描くのに非常に適しているのではないだろうか。一般の小説より、より虚構性が増した小説であるが故に、作品のテーマとなる部分が純粋に浮かび上がってくることになる。作品を構成する要素が、それぞれが一つ一つ非常にピュアで、それらがうまく作品として自己完結している。もちろん、それがある種の気持ち良さや気持ち悪さに繋がるのだろうけど。まあ、このあたりは、漫画やアニメにも同様に言えることだけど。
 また、原作を読んで感じたことの一つに、アニメのスタッフがうまく原作に肉付けをしているなあということだ。「孤島症候群」など、うまく原作を消化しつつ、お話を盛り上げているので、またまたアニメスタッフを感心することになった。