数学的思考

数学的思考 (講談社学術文庫)

数学的思考 (講談社学術文庫)

 数学の歴史についてある程度触れながら、数学教育の問題について論じている。
 おもしろいなと思ったところは、

ギリシャ人たちは、数学を現実の課題より離れて仮象することによりみずからの純粋性を保持し、その体系を完成せねばならなかった。そこに彼らの限界があった。アラビア人たちは、数学を現実の課題に密着させすぎたために、法則の認識を体系化することなく、代数「学」を問題解決「術」の範囲にとどめてしまった。そこに、彼らの限界があった。(p,50)

 ここ。これはあくまでも数学の世界の中での話だけれども、いろいろなところで実感する。