伊賀忍法帖

伊賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(3) (講談社文庫)

伊賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(3) (講談社文庫)

 どんだけエロくて、どれだけ面白いんだ。
 舞台は戦国時代。足利義輝を殺したことで悪名の残る松永弾正は、主君の三好家の夫人である右京太夫に恋い慕っていた。松永は根来忍者に頼み、右京太夫に自分を惚れさせるようとする。そのためには淫石というものが必要であり、そのためには多くの美女が必要だった。その美女の1人として奪われたのが、伊賀忍者の妻の篝火であった。夫の伊賀忍者笛吹城太郎は妻を取り返そうと、1人戦いに挑んでいく。
 物語が動的にどんどん変わっていく。そしてその様がまったく不自然であると感じない。まるで物語り自体が白い大蛇のように、生きてうねっているようである。