ノルウェイの森
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/09/15
- メディア: ペーパーバック
- 購入: 31人 クリック: 899回
- この商品を含むブログ (763件) を見る
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/09/15
- メディア: ペーパーバック
- 購入: 26人 クリック: 230回
- この商品を含むブログ (553件) を見る
連続して春樹の作品を再読していたので、共通点が見えてくる。
春樹の物語には2つの世界が登場する。本作だと、直子のいる精神病院と緑のいる一般社会。「羊をめぐる冒険」では一般社会と北海道の羊牧場。「風の歌を聴け」では、僕の世界と鼠の世界といった調子で。
主人公の「僕」は、今いる社会に対して違和感を抱いて、もう1つの世界に対して共感を感じるのだけれど、決して向こうの世界へは移ろうとしない。こちら側と向こう側の境界線上の、ぎりぎりこちら側で主人公たちはただ立ちつくしている。
もう一点、この小説の最後の部分で、僕は緑に電話をかけるわけだけど、このシーンが必要であったのか、蛇足であるのか。この小説において、このシーンがもっている意味とは何なのか。