美しい日本の私

美しい日本の私 (講談社現代新書)

美しい日本の私 (講談社現代新書)

 ノーベル文学賞受賞の際に、川端康成が行った講演の全文が、英文訳とともに掲載されている。
 川端の文章はおおよそ40ページにも満たない短いものである。自分の作品と合わせて、日本の芸術観について語っている。語られているのは、四季の変化を愛でる日本人のこころと、禅というものに代表される日本の美意識について。
 書かれている内容は、ほとんどが当たり障りのない基本的なものである。それを、川端には珍しい、長文の流麗な日本語でつづられている。美しい日本語である。