<意識>とは何だろうか
「意識」とは何だろうか―脳の来歴、知覚の錯誤 (講談社現代新書)
- 作者: 下條信輔
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/02/19
- メディア: 新書
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まず、正しい知覚とイリュージョンを区別する基準なんてものは存在しない。僕たちの知覚の世界は、文脈や環境、適応能力に依存し、思いのほか複雑なものである。
そして記憶とは、まるで机の引き出しのように形で脳の中にあるのではなく、外界の世界のいたるところに偏在しているといえる。外の世界とは、まるで記憶の外部装置のようなもので、肉体とはそのため、脳と外界をつなぐハブやバッファのような存在である。
脳の機能とは、それだけを切り取れるようなものではなく、「脳−肉体−環境」と一体となっていて、独立した存在ではないのである。