虹のヲルゴオル
- 作者: 橋本治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1991/09
- メディア: 文庫
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13人の女優を取り上げて、橋本治が映画について語っているわけだけど、橋本治のことだから、話はあっちこっちに飛んでいく。でもそれが楽しくておもしろい。
相変わらず、するどい視線とたしかな知性がほとばしっている。ヘップバーンを「初めての舞踏会の似合う女の子」と表現したり、イングリッド・バーグマンを「もっとも魅力的な、凡庸な主婦」と表現している。これはうまい。
バーブラ・ストライサイドをあつかった「もしも女の子が可愛くなかったら」なんて、よくできた短編小説のようだ。
読むと、すっごい幸福になれる本である。ああ、こんなすげえ本があるから、読書家をやめられないんだよなあ。