日本国憲法

 日本国憲法についての教養本。書かれている内容は、中学や高校時代の社会科の時間に習ったことから、少しだけ詳しくなった程度。ただ、読者の意識が引っかかるようなフックがいくつも用意されているので、読みやすいし吸収しやすい。とりあえず憲法について大雑把に知っておきたい、という人にはかなりおすすめ。
 読んでいて、いくつも驚きがあった。

  • 戦争を放棄している憲法は結構あるらしい。でも、軍隊を放棄しているのは日本ぐらい。
  • 法律は国民が守り、憲法は国家が守る。
  • 公人である総理大臣が靖国神社に参拝するのは、政教分離の原則から違憲じゃないの?
  • 売春防止法は、職業選択の自由に対して違憲じゃないの?
  • 60年もまるで変わっていない日本国憲法は、世界的に見てかなり珍しい。
  • 憲法とは、理想を掲げるものなのか、現実を定義するものなのか?

 巻末に、日本国憲法全文がついてくる。意外だったが、これがとても短い。読もうと思えば、あっという間に読めてしまう。