「わかる」技術
- 作者: 畑村洋太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/10/19
- メディア: 新書
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最初に言ってしまうと、とてもおもしろかった。ためになった。第1章部分だけでも、定価700円をはるか超える価値がある。
あらゆるものは、「要素」「構造」「機能」の3点で表現できる。そして、「分かる」ということは、「要素の一致」「構造の一致」「新たなテンプレート*1の構築」という、3つのことである。
で、「要素の一致」と「構造の一致」なら、ものごとをよーく観察すればいいのだが、「新たなテンプレートの構築」の場合は違う。「新たなテンプレートの構築」とは、自分自身の知識や経験を使うことで、新たな自分自身の知見を作ることである。これに必要な能力とは、要素の摘出と構造化を通じて、ある事象の因果関係をきちんと理解する、という能力である。ええと、自分の頭の仲で論理的なプロセスが作れるか、作れないかということなのかな。
また、それ以外のなるほどポイント。
- あらゆるものは、10個ていどの要素のつながりからできている。
- 話のおもしろい人は、立体的な構成で話している。(聴き手のテンプレートを豊かにする。)
- 聞き上手の人は、話の構造化して、テンプレートを作る手伝いをしてくれる。
- 順方向だけでなく、論理を逆方向にも捉えてみと、新たな発見がある。
誰もが、読んで損のない本だと思う。
*1:型紙といった意味