光源氏の一生
- 作者: 池田弥三郎(慶応義塾大学教授)
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1964/03/22
- メディア: 新書
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「源氏物語」が、王氏と他氏*1の対立という構造を持っている。家、あるいは家系にとりつく日本的な怨霊という考えが貫いているということ。光源氏と藤壷の女御の密通と柏木と女三宮の密通という繰りかえされる歴史。などといった非常に物語として構造的にしっかりしているといった話は新鮮だった。
また繰りかえされた密通の歴史に、とくに「平家物語」からよく読み取れる日本的な無常観があらわれているといった点は新鮮だった。
*1:氏族の中で王氏が皇族出身者、他氏がそれ以外の出身者という意