記号論への招待

記号論への招待 (岩波新書)

記号論への招待 (岩波新書)

 すごい情報量のある本だった。そのため、読み終わった後ぐったりした。
 言語の構造を主にして、記号論を述べている。
 言葉には情報を伝達するという他に、いくつかの認識が新たにできる。それは、

  • 文化を象徴するものとしての言語、そこから更に発展して、思考形式を規定しうるものとしての言語
  • 言語の「美的機能」、または「詩的機能」と呼ばれるもの
  • 文化のモデルとしての言語という発想、つまり、「言語としての文化」あるいは「文化は言語である」という発想

 そして、言語のコミュニケーションについての説明。39ページにわかりやすい図が掲載されている。「コード」とは「発信者」が「メッセージ」を作成し、「受信者」が「メッセージ」を解読する際に参照すべき決まりである。そして、「コンテクスト」は、「コード」を超えようとする「使用者」と、「使用者」を拘束しようとする「コード」、その2つの対立する両者の間の緊張した関係が破綻にいたらぬようとりもつ機能を持つ。
 言語学の研究分野の設定は、

  • 「統辞論」(syntactics) 「記号」と「記号」の結合を研究
  • 「意味論」(semantics) 「記号」とその「指示物」の関係について研究
  • 「実用論」(pragmatics) 「記号」とその「使用者」の関係を研究する

と分けられる。
 まだまだ、たくさん書いてあるのだが、まとめきれず。第3章以降はまたいつか再読しなければ。