日本語をみがく小辞典＜形容詞・副詞篇＞

日本語をみがく小辞典〈形容詞・副詞篇〉 (講談社現代新書)

　たとえば、愛情や羞恥などのキーワードを決めて、それを表現するいくつかの言葉提示しながら、言葉にまつわるエッセイをしている。愛情だと、いとおしいやいじらしい、やるせないなど。
　文章自体がすごく美しく、取り上げられている単語をながめても、日本語の美しさを再認識することができる。ただ、わざわざ読んでみるような本ではなかったかも。
　漢字で書かれるものより、ひらがなで書かれるものの方が、圧倒的に意味内容が豊かだと感じる。それはおそらく、言葉の意味する領域がとてもあいまいに設定されているためだろう。言葉をじっと観察していくと、日本人の深層意識にたどりつくことができる。