宇宙人としての生き方

 ぶっとんだタイトルなのだけれども、おもしろい本だった。
 宇宙誕生の150億年の歴史から、地球そして人間を見つめ直してみようじゃないかという、アストロバイオロジーについての本。
 では、その視点よりとらえ直された人間とは何であるのか。それは、人類は生き延びるために生きている存在ではないという解答である。
 産業革命以来の200年足らずで、人類の存在は地球環境という大きなシステムに重大な影響を与えるまでになった。なぜ、そのような危険な存在を地球はわざわざ生み出したのか。自らを滅ぼしかねない存在を。その点において、人類は地球上で生存しつづけるための存在であるということからは矛盾してしまうと考えられる。さらにその理由として、地球のシステムを超えて大きな存在である、宇宙のシステムの意思があると書いてある。そしてもしかしたら、人類は宇宙を認識するために存在しているのかもしれない。
 まあ、突拍子のない話なのだけど、これには夢があるね。
 「我々は何故存在しているのか」という答えのない問いに、宇宙を認識するためだなんて、なかなかかっこいいじゃないか。