続名画を見る眼
- 作者: 高階秀爾
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1971/05/20
- メディア: 新書
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ルネサンス期以降、画家たちは3次元の現実の世界をキャンバスの2次元の世界の上に定着させようとしてきた。しかし、印象派の、特にセザンヌ以降の絵画は、絵画の2次元性と現実の3次元性の融合を夢見ている。セザンヌはそれを、色彩によってなそうとし、ピカソのフォルムによっての達成をねがった。
多くの芸術家たちが、娼婦や旅芸人などの社会のアウトサイダーたちを好んで描くようになるその理由には、時代の変化により、芸術家自身がパトロンを失い、社会の余計者になっていく過程と比例している。
「絵画とは、戦場の馬とか、裸婦とか、その他何らかの対象である前に、本質的に、ある一定の秩序で集められた色彩によって覆われた平坦な面である」(p,142)