惑星科学入門

惑星科学入門 (講談社学術文庫)

惑星科学入門 (講談社学術文庫)

 太陽系の惑星を、水星からこのときはまだ惑星の仲間だった冥王星まで、詳細に紹介している。そのほかに、小惑星や彗星についても、紙幅を割いている。それぞれがかなりの情報量である。
 紹介されている内容は、どれも魅力的なものである。水星では、一回公転する間に、たったの2回しか自転をしないらしい。つまり、1年が2日しかないということ。火星には24キロメートルにもおよぶ大火山、オリンポス山があるらしい。火星には、これくらいの火山が1ダースほどは存在するらしい。
 学術文庫ということなので、淡々と記述されているため、興がそがれてしまうようなところもあるだろう。しかし、太陽系をあつかったこの1冊を読むだけでも、宇宙の多様性と広大さを感じ取ることができるだろう。